池谷 裕二

定価: ¥ 1,029
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発売日: 2001-01
発売元: 講談社
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タクシーに乗って行き先を告げると、たいていの運転手は地図を見ずに車を走らせる。彼らの頭の中には複雑な地図がすべて入っているようで、その卓越した記憶力には驚かされる。 本書は、そんなタクシー運転手の記憶力を脳科学的に解析したマグワイヤの研究の紹介から始まる。その興味深い研究の結果、タクシー運転手の脳のある部分が一般の人よりも大きく、しかもそれはベテランの運転手であるほど大きいという驚くべきことがわかった。 よく年をとると記憶力が衰えるといわれるが、この研究は成人した後であっても鍛えれば記憶力がよくなることを示している。しかし、そうは言っても成人して年齢を重ねるごとに記憶力が落ちていくのを感じるわけだが、脳科学は脳の構造にあわせた3つの「記憶の仕方」があることを教えてくれている。それは(1)何度も失敗を繰り返して覚える、(2)きちんと手順を踏んで覚える(易しいものから難しいものへ)、(3)まずは大きく捉え、最初から細部にこだわらない、である。年齢と共に「丸暗記」する能力は衰えていくが、この方法を用いれば記憶力は鍛えられる。 本書は記憶に関する脳科学の興味深い研究を、歴史に沿ってわかりやすく紹介している。また「テストの直前に詰め込み勉強をするなら徹夜するよりも早起きして勉強した方が良い」「テストの前に風邪薬を飲むと記憶していたものが思いだしにくくなる」など、記憶力に関するアドバイスもかなり具体的だ。 文章も読みやすく、必要な生化学や脳科学の基礎知識もわかりやすく解説してあり、記憶のみならず広く脳科学に興味を持っている人にお勧めできる。(別役 匝)
記憶を知れば認知につながる成人になっても脳神経細胞は増えるって知っていました?
2000年のNew England Journalに、成人後も本書で取り上げている
海馬にある神経細胞は増殖する可能性があると示唆していました。
本書の著者は、この海馬の仕組みを非常に分かりやすく書いています。
例え、あなたが70歳であろうと、脳細胞は増やせる可能性があります。
(増えるとは、本書には書いていませんが)
私も、以前、認知心理を専攻していましたが、
記憶力のupはちょっとしたことで可能になることは知られています。
その方法を、本書は明解に書いてあるのです。
錯覚するほどわかりやすいこんなにカンタンなのか、と錯覚してしまうほど明快に
記憶する、という行為のメカニズムを解説している。
「正確さ」と「わかりやすさ」は往々にしてバランスのとりにくいものだが、
この著作では上手く調整されていると思う。
実際のメカニズムもさることながら、所々に引用されている先人の考えを
紹介しながら進める、という構成もとても読みやすい。
作家のサン・シモンによる「感動する心を失ってはいけない」という言葉
に触れて、記憶と情動の関連を説明する辺りは、思わず納得してしまった。
正しい脳の知識で、知能を高める!記憶のメカニズムについて、最新の脳科学の見地から解説しています。とてもわかりやすく書かれていて、いかにして記憶が作られているのかが知ることができました。読んでいて、池谷さんの脳に対する、ひいては人間の可能性に対する熱意が伝わってくるようでした。
多くの人が、正しい脳の知識に基づいて知能を高めていく努力を続けていけば、この世界はきっと安泰になるんじゃないかなぁと感じます。わくわくさせてくれるような事柄を提供してくれた池谷さんに感謝!
この本の中で、「一緒に研究を!」という呼びかけがあり、思わずもう1回大学に入って、勉強したくなりました。

